太陽光発電の必要性
クレジットカードに付いている社会貢献といえば、利用額に応じたポイントの使い道にNGO等への寄付がメニュー化されていることを想起する。
そこに環境NGOを追加するだけにとどまらず、主にヨーロッパにおいて、温暖化防止にフォーカスしたサービスを付加する例が増えている。
「グリーンカードV」では、顧客が初回の支払いで75ユーロの手数料を支払うことによって、カードを利用して購入した商品やサービスに伴って排出される温室効果ガスをオフセットすることを目的とする。
オランダに始まったこのサービスは、ドイツ、スカンジナビアの一部に続き、米国にも拡大しようとしている。
また、カードの物理的な環境負荷をオフセットするというサービスも、英国のバークレイズから提供されている。
バークレイズでは、カード会社を通し、英国の家庭部門でのCO2排出量を1t減らすキャンペーンにおいて、省エネ機器や公共交通パス等のカード利用の場合に割引や貸付利率の優遇を行うことによって、個人の温暖化防止行動を促進しようとしている。
最後に、このようにカーボンファイナンスを推進することによって、金融機関が得られるメリットについてまとめておく。
まず、地球温暖化防止関連産業の成艮性が高ければ、そこについてくる資金需要や新たな金融商品へのニーズが高まり、ビジネスチャンスが拡大する。
つまり、地球温暖化は世界経済社会に対し新しい価値観(カーボン価値)に基づく大変革を求めているために、「社会がカーボン価値を軸に動く→お金も動く」という大きな図式にあてはまり、お金が動くところに金融業のチャンスがあるわけである。
これは、単に経済が右肩上がりになることによってもたらされるチャンスではなく、持続可能な開発に資するという質的なチャンスであることに特徴がある。
個別の金融機関では、カーボンファイナンスの推進により、さまざまなステークホルダーからの評価を高める可能性がある。
株式市場からは、業績の向上と、社会的課題に対し本業として解決策を提示することによる、その質への評価(SRIからの観点からの評価)が期待できる。
顧客からは、個人・企業ともに、環境に配慮する金融機関として、受信.与信を問わず金融機関の選別競争に勝ち抜く要素となる。
環境配慮に先進的な企業では、「グリーン購入」「CSR購入」など、サプライチェーン上で取引先に環境・社会・ガバナンス面の取組みを求める動きが広がっているが、これが製品の部品や原料にとどまらず、金融機関の選別にも及ぶ可能性があるわけである。
また、従業員のロイヤリティ確保や、人材の確保の面でも、社会的な温暖化防止への問題意識の高まりとともに、選別基準となる可能性が大いにある。
このような可能性を考えるにあたり、金融機関、とくに銀行・信用金庫・信用組合等の融資金融機関は、長期的な視点の必要性を強く認識しておくべきである。
なぜなら、銀行の貸出債権に限ってみれば、現状のポートフォリオ上の残存期間は温暖化の影響(政策リスク、原材料高騰リスク、売上減少リスク、災害リスク)に比べて短いからである。
UNEP金融イニシアティブの北米タスクフォースが2006年に発表した報告書でも、全体平均で3年弱、最も長い電力セクターでも6年弱の期間であることが、気候変動の影響が見えにくい理由の1つであるとしている。
また、10年程度の期間で見た場合、EU-ETSの導入も、電力会社の社債スプレッドに有意な影響を与えていない。
重要なのは、「だからいますぐ何もしなくてもよい」わけではないということであり、長期的な分析が行われてから驚くことのないように、金融機関はリスクとチャンスについてよく検討しておくべきである。
1つ目は、いうまでもなく政策である。
カーボンファイナンス関係者からは、国際政策および国内政策が、Long,LoudandLegalであるべきだと指摘される。
長期的な政策(30年、50年レベル)が、存在感を持って示され、かつそれらが法的拘束力を持つべきであるという指摘である。
グローバルな金融界は、どちらかというと長く「規制緩和」を求めてきたのとは逆に、気候変動に関しては明確で効果のある環境規制を求めている。
企業に、法的拘束力のある削減義務が課されないかぎり、自主的な取組みには限界があるだろうし、仮に日本の経済産業省と日本経団連の間のフォローアップのような仕組みがあったとしても、「法的義務があって必ず行わないと違反になる」ということとはレベルが異なる。
こうした政策が、短期的な政権の変動等に影響を受けることなく、安定して実施されることが必要である。
2つ目に、金融業に必要不可欠な業務の許認可や、権利義務に関する法律的解釈について取り上げる。
資産運用に関しては、地球温暖化を含む、環境・社会・ガバナンス面に関する企業評価について、資産運用の受託者にとって、受託者責任の遂行に合致するのかどうかという点が明確にされたのは2005年のことである。
国連環境計画ファイナンスイニシアティブによるレポートにおいて、気候変動リスク等について検討しないことが逆に責任を満たしていないとの考えが示された。
これにより、機関投資家の資金が動きやすくなった。
カーボンファイナンス商品開発にとってきわめて重要なのが許認可関係である。
排出権については、地球温暖化対策法(地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法)で、排出権が信託の対象となることが明確化されたことや、排出権取引の媒介やコンサルティング業務が銀行法上認められたことなどが、国内金融機関のカーボンファイナンスビジネスにとって追い風となっている。
金融業にとって情報も、必要不可欠な資源である。
炭素という新たな価値についても、十分な情報がないとそれを加工して商品化することができない。
企業がどれだけのカーボンリスクにさらされ、またはどのようなチャンスを持っているのかという情報を、金融機関はその評価にあたって必要としている。
これを推進するプロジェクトが、CDP(CarbonDisclosureProject)である。
CDPは、気候変動に対して機関投資家や金融機関が協調して、企業情報開示を求めるプロジェクトで、2003年に始まった。
その目的は、投資家に対し、気候変化がもたらす重要なリスクと機会についての情報を提供すること、これらの問題が企業価値に与える潜在的影響について、企業経営陣に対して株主の懸念を知らせることである。
年1回の調査は、回を重ねるごとに参加金融機関・回答企業ともに増加しており、4回目の2006年には、225の金融機関(31兆5000億ドルを運用)に対し上位500企業の72%が回答した。
また、同年には「CDPジャパン」という日本限定の地域調査も実施され67%が回答している。
また、CDP自身もメンバーとなっている、新たな気候変動リスク情報開示イニシアティブも動きはじめている。
2007年のダボス会議で明らかになった、気候情報開示基準委員会である。
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